うろ覚えの雑感

何でも適当に書いていくブログ

ワイルド わたしの中の獣を見てきました

www.finefilms.co.jp

ツィッターでフォロワーさんが呟いていたので少し気になって、トレーラーを見たらもの凄い価値観を揺さぶられそうな映画だと感じて即決で見てきました。

ちょうど本日公開ということで、また劇場でやっていない地域もあるので、バレありで続きで書いていきます。

まず見る前までの気持ち

狼はノーCG、R15作品ということで、エロティズム、フェチズム色々なものを含んだ作品なんだろうという感想。特にトレーラーでの狼が女性器をまさぐるいわゆるバター犬のシーンとか、どんな展開なんだよ・・・とか割りと本気で大丈夫だろうかと思いながら思いを馳せていた。

なにせ、人が獣に心惹かれていくというのですでに(一般的な世間論理からは)輪の外にいるから。

そういう意味で、価値観が壊れるんだろうという気持ちでもって、見に行くことにしたのであった

じゃあ、実際見た後は?

最初に言えるのは終わった直後。ラストシーンを見た後のエンディングテロップが流れている間、頭をハンマーで殴られたような、そんな気分になった。

それくらい、衝撃的。

正直帰りの電車の中で、言葉を持てないくらいにはすごく、揺らいでいた。今凄い頑張って言葉を紡いでいる。それとなく、自分の中での序盤、中盤、終盤に分けて書いてみる。

序盤

主人公のアニアという女性は、繰り返される何も変わらない日常に生きている。

繰り返し、変わらない、何もときめきも何もない、そんな枯れた生活のように見えた。

なにせ普通に仕事へ行き、恋人もなくただ流れていく日常。

入院している祖父の世話等もしていることを考えると、おそらく責任と言う言葉で流されるタイプの女性。

そんな彼女がある日、家の近くで狼を見かけて惹かれていってしまう。

そんな序盤。

枯れた生活に色が差し込んだような、そんな感想。なんとなく気持ちはわかる。非日常へのただの一歩。入り口は甘美のように見えるが、その先の保証なんてなにもない世界に惹かれるのは砂漠の中でオアシスを見つけたようなそんな感情なのだろう。それからの彼女の行動がまさしく恋い焦がれる人へのアプローチそのもの。それは人であろうが獣であろうが変わらない気持ちの解放なんだろうなと思う

中盤

「彼」へのアプローチ。本当に色々なことしていた。

まずもって獣へのアプローチの時点で常軌を逸しているのであるが、どんどん彼女が変わっていく。魅力的になっていく。そんな過程。

ネタバレありで書いているけど、ここは本当に変化を感じる。完全に狂っているのであるが、それがどうしようもなく背中からゾクゾクくるような感覚に襲われる。目が離せなくなる。

そして、いよいよ彼を「捕まえて」しまう。

終盤

ここからは本当に狼と人との隔たりが壊れていく。

特に主人公の魅力が右肩上がりになっていく。本能に近づいていく様。慟哭が上がるシーン。何かが壊れていっているのに美しくなるという二律背反。見ていて何が起きていっているのか本当にわけがわからなくなっていく。

最後のラストへ向けて、おそらく10分(もないと思う)ほどセリフもまったくなく、ただただ映像を見せられる。いや魅せられる。

人が獣を捕まえていたはずが、獣と人の隔たりがなくなり、人が獣になっていっているような、そんなシーン。

狼との共存になるのだと思うが、そこにはただただ本能しかなかった

そして、ラストシーン。これは本当に考えさせれている。その後の彼女がどうなったか誰にもわからないのだが、あれほど印象に残る終わり方はないと思った。

改めての感想

ここまで、思いのままに一気に書いた。

正直、簡単に人に勧められる作品ではないかなと言うのが正直な感想。

でも、上述しているとおり、それ相応の衝撃はやっぱりあって、見て良かったと思う。愛とは何か。生とは何かを考えるきっかけになる。

これを12/24という世間でいうクリスマスイブに公開するあたり、すごいなぁと思う。でも実際劇場は満員になっていたし、効果はあるんだと思う。

刺激的で衝撃的な作品に出会えた。