久しぶりに暗殺教室読み返した
卒業という次期が近づいてきたのもあって、久しぶりに暗殺教室を読み返した。
2016年の16号。ちょうと現実世界でも春になろうかとしている時だったのを覚えている。
もう完結から1年経ったのかと思うと共に、何度見ても色々な思いを残していける良きマンガだなぁと思う。
最終巻の本編後にかかれている松井優征先生のあとがきもまた味がある。
曰く
第1話の2,3ページが最初に思い浮かんだとき、即座にその話の結末が、大きな悲しさを伴うものになると気が付きました
それと同時に、この話をまっすぐに、バランス良く、目を逸らさずに描ききることが出来たら、多くの人の心に生きる作品になるかもしれない、とも。
この最初の書き出しの2文だけで作品に掛ける思いを少しでも感じ取れるかと思う。
殺せんせーは色々な場面で生徒に「授業」をする
その時の言葉の数々はまさに「教育者」の言葉であり、他者を慮る言葉であった。
これらは(もちろん編集者の意見などもあるとは思うが)松井優征先生自身の経験からくるものであるものだとご本人があとがきに記している
人生を過ごしていると様々なことが起きる。
良いこともあれば悪いこともある、信じたものが結実するときもあれば、裏切られることもある。
全部21巻、180話の中で様々なことが起きる。主人公の渚は単純な喧嘩などの戦闘力に優れていなくても、殺し屋としての能力はクラスで主席だ。
とある視点で見た時に突出してなくても異なる角度で見れば突出することだってある。
逆に優れていすぎてもうまく行かないことだってある
それら全ての短い人生にある苦難と喜びを通して、何かを伝えていくようなそんな作品だと思っている。
本誌で読んでいた時、最後に殺せんせーとお別れする回。
まさに暗殺教室が結実する回だ。
あそこは本当に暗殺教室としての卒業式だった。
烏丸先生が唯一、殺せんせーの名前を呼び、殺せんせーは最後の出席を取り、主席(渚)によって天へと送り出される。
何かを成してその対価と結末が別れであっても、そこに過ごした時間は残って思い出として結実し一生のものへと昇華されるそんな一瞬。
コミックスではその後の見開きで月で雪村と再会を果たすような描写もある
結局、全て殺せんせーを通して、人の絆、人生の理不尽、そういったものを垣間見せられながらどのように生きるかを考えさせられる
そんな良作であった。